大川樟風生の皆さんへ

　新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令され、福岡県でも５月６日まで臨時休業となりました。始業式や入学式を実施しないことをはじめ、さまざまな制約を受け予定を変更せざるを得なくなりました。皆さんは、これからの授業、学校行事、進路、部活動や公式試合のことなど先の見えない不安を抱えていることと思います。私たちが今闘っているのは「見えない敵」であり、不安を覚えるのは当たり前のことです。
　ある新聞に、有名なスポーツ選手の新型コロナウイルス流行時に関する考え方が書かれていました。そこには、「自分がコントロールできること、できないことを区別し、コントロールできないことには関心を持たず、コントロールできることに集中し努力すること」と書かれていました。コントロールできないこととはたとえば審判の判定であり、それにイライラしては心を乱してしまう。コントロールできることに100％取り組む。今は、「冷静さ」を忘れず、自分の頭の中で想像力をはたかせて「今の自分にできること（コントロールできること）」に集中することが大切、とあり私もなるほどと納得したところです。

　ところで、これまでの歴史の中で人類は、ペストやコレラ等の世界的な流行に何度も悩まされてきました。そのような混乱に乗じて、不安を煽る悪質なデマや不正確・不適切な情報などが広がり、社会の混乱を一層増大させることが過去の歴史のなかでありました。現在流行している新型コロナウイルスについても、根拠のない情報やデマが発生しています。このような混乱の時だからこそ、私たちは人としての在り方が問われていて、自分自身が試されている時だと思います。誤った情報に踊らされず、正確な情報に基づいて自分の頭で冷静にしなやかに考え判断し行動してほしいと考えています。君たち一人ひとりの冷静であたたかな気持ちや行動は、周りの人たちに勇気と元気を与えることもできます。

　今は、自分の役割を果たすとき。自分と大切な人を守るとき。